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2014年10月10日金曜日

取締役会の議論の中身

社長と議案を出した担当役員だけが少し議論をして終わり、とか、経営会議ですでに決着ついているぎだいなので、ほとんど議論もなく決議、ーという取締役会は、マネジメントボードとしても失格。

10年以上前、担当していた会社の取締役会は、前段のような取締役会であった。しかし、最近、時々「貴社の取締役会では活発に議論されていますか?」と聞いてみると、「ウチは結構活発です。」という答えが返ってくる。この点は改善している会社が多いのかもしれない。

それでは、取締役会で活発に議論すれば良いかと言うと、そうでもない。事業機会だけでなく、事業リスクも含めてしっかり議論できるのであれば、マメジメントボードとしては合格かもしれない。

しかし、ここまででは不十分。コーポレートガバナンスの観点では、モニタリングボードとしての取締役会をどれだけ機能させるかがポイントとなる。

よって、問題は議論の中身。業務意思決定事項ばかりを活発に議論しても、モニタリングにならない。執行側がやると言っていたことが、期限までにしっかりできているか、最終的には、社長の経営能力を査定することまでしないとモニタリングボードにならない。

その大前提として、モニタリングボードとしてどうあるべきか、それが実際で来ていたかをどのように評価するかといった、ガバナンスの基本方針も議論して決めておく必要がある。このガバナンスの方針は、WEBサイトなどに開示するのがよい。(これは東証に出す「ガバナンスに関する報告書」や有報の「ガバナンスの状況」ではない。)

ということは、取締役会の議題の見直しをすることが必要になる。ここで、前稿で触れたように、監査役設置会社には限界がある。社外取締役を入れたとしても、モニタリングボードとしての議題を議論する時間が取れない。理由は、会社法で定められた取締役会の専決事項があり、それを執行側に決めてもらうことができないからである。

来年から導入される監査等委員会と委員会設置会社(指名委員会等設置会社に改称される)では、業務意思決定事項は特に重要な事項だけにすることができる。浮いた時間にモニタリングボードとしての議題が入れられる。

監査役設置会社でも、議題を追加して時間を使えば、同じように運営することもできる。ただし、社外取締役会に多くの業務意思決定に関わらせることは、社外取締役の有効な活用とは言えない。

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