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2014年10月25日土曜日

日本取締役協会のコーポレートガバナンスコード案

昨日(10月24日)、日本取締役協会からコーポレートガバナンスコード案が公表された。先週の幹事会で報告があったので、内容は承知している。メディアは独立取締役の人数に関心があるだろうと思っていたら、その通り。

「独立役員3人か3分の1=企業統治の新コード案-取締役協会」という見出しのウェブニュースがあった。

先週の幹事会でこの点を私が質問したが、要するに「この辺が落としどころと考えた」ということらしい。私は、金融庁からでる本物のコードでは、「複数」になると予想している。モニタリングボードを指向する取締役協会としては、これは「過半数」にしておくのが良かったのではないかと思われる。

議題の整理は、16条:取締役会の議題の設定等に記載されているが、「各取締役からの提案及び意見を踏まえ・・・会社の経営戦略、リスク及び内部統制に関する主要な事項を定める・・」と記載されている程度で、業務執行に係る意思決定事項を減らす点には触れられていない。突っ込みが足りない印象。

19条には自己評価が入っている。これは前回の幹事会で私が盛り込んでもらうようにお願いした事項。(私が言わなくても入ったかもしれないが、、、)「取締役は・・・毎年自己評価を行いその結果を取締役会に提出する」となっており、取締役が個人として評価して、結果を報告せよ、というように書かれている。「取締役会としての自己評価」を私は意図したのであるが、ちょっと外れ。各自が評価するのは、その一部分で、全体としての評価が必要である。その作業は事務局が実施するか、または外部専門家に依頼することになる。

幹事会では議論になったが、3条には「議長は代表権を持たない非業務執行取締役が務めなければならない」としている。この点はしっかり踏み込めているので評価したい。

あと、ユニークなのは、4条「監査等委員会設置または指名委員会等設置」にしない場合の理由の開示である。ようするに監査役設置会社とするのであれば、その理由を説明せよ、というのである。ここでComply or Explainの考え方を入れている。

モニタリングボードを指向するのであれば、監査役設置はそれには向かない。それでも監査役設置であれば、どのように運用でカバーするのか説明する、または、モニタリングとマネジメントのハイブリッドの方が良いと考える理由を開示することになる。

ここでは、「監査等委員会設置または指名委員会等設置を相当としない理由」ではなく、「監査役設置にする理由」と読める。

有報提出会社&大会社&公開会社(会社法の)&監査役設置会社について、改正会社法は「社外取締役を置かない理由」ではなく、「置くことが相当でない理由」の株主総会での説明を求めている。

これに倣えば、「監査等委員会設置または指名委員会等設置を相当としない理由」と明言した方がよかったと考えられる。ただ、ほとんどの上場会社が監査役設置である現状から、それは行きすぎ、という配慮が働いたと思われる。ただ、取締役協会の立ち位置はそういうことだと思われる。

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