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2018年7月24日火曜日

仮想通貨を理解する(1) ー法律上の取り扱いなど

 2018年1月26日の深夜、コインチェックが「午前3時ごろ、何者かによってコインチェックのNEMアドレスから5億3000万XEMが外部に送信されました。日本円にして約580億円になります。」と記者発表しました。

 NEM? 外部に送信されたのはXEM? 508億円が送信されたとは? 一体何のことか分からない人が多いのではないでしょうか。

 世の中がどんどん変わっていることは理解できます。クレジットカードは十分普及し(日本での普及率は低いです)、SUICA、NANACO、Edyなどは、テレホンカードに始まったプリペイドカードの一種であるということは一般に理解されていると思います。

 それでは仮想通貨は、というと「ビットコイン」は聞いたことがあるとしても、NEMと言われても一体何のことか? というのが一般人のレベルと思います。

 出版の世界ではどうでしょうか? Amazonの書籍を「仮想通貨」で検索すると200冊以上の本や雑誌が出てきます。これをみると仮想通貨に関心が集まっていることが分かります。しかし、出版されている本の8,9割は「仮想通貨で儲ける」パターンの本です。仮想通貨は、株式やFXと同様の投資対象になっており、それに関心がある人がこれらの書籍を購入しているものと考えられます。

 「通貨を買ったら投資になる」 ということも理解ができないことです。金貨なら投資する人もいると思いますが、仮想通貨はそれに類したものなのでしょうか。
 
 このように、いろいろな疑問が湧いてきます。そこで、このブログでは「仮想通貨を理解する」シリーズを始めることにしました。まずは、いろいろな用語の解説をしたいと思います。

<仮想通貨の法律上の扱い>
 日本では、仮想通貨は法律上の「通貨」としては認められていません。しかし、改正資金決済法(2017年4月施行)では、仮想通貨を次のように定義しています。
1)物品やサービスを購入する際に使用できる財産価値
2)それ自体を不特定多数の人と売買が可能
3)コンピュータなどの電子機器に電子的に記録
4)電子的に移動できる

 仮想通貨は、日本では法律上、通貨ではありませんが「決済手段の一つ」として認められており、いわば「通貨に準ずるもの」として位置づけられていることが分かります。国税庁は、それまで仮想通貨を物品として扱い消費税が課していましたが、これを受けて、消費税の課税をしないことにしました。

<ビットコインとは>
 ビットコインは、一番最初に開発された仮想通貨です。「サトシ・ナカモト」という日本人が論文で発表したそうです。2009年から運用が開始されています。ビットコイン以外の仮想通貨は「アルトコイン」と呼ばれています。それぐらいビットコインの存在感が大きいということが言えます。

<アルトコインとは>
 ドイツ語を知っている人は、アルト=OLDなので、古いコインか?と思われるかもしれません。例えば、アルト・ハイデルベルグという戯曲があります。古き(良き)ハイデルベルグという意味になります。ここではアルト=Alternativeという英語の省略です。和製英語ではなく、「altcoin」という英語になっているようです。Alternativeは「オールターナティブ」と発音しますので、日本語では「オルトコイン」かもしれませんが、アメリカ人が発音すると「オルト」は「アルト」に聞こえると思います。altcoinという表記が一般化してしまうと、そのままアルトコインと読むのが普通になっているものと思われます。
 話が長くなりましたが、アルトコインには1000とも2000とも言われる数があります。冒頭のNEMはそのうちの一つです。

<通貨名と通貨単位の名称>
 ビットコインの通貨単位はBTCです。ドルにおけるセントに相当する単位はなく、小数点で表記します。仮想通貨(アルトコイン)の一つであるNEMの通貨単位はXEM(ゼム)です。
 円、ドル、元、ウォンなどの通常の通貨は、通貨名と通貨単位の名称が同じです。それなら分かりやすいのですが、仮想通貨の場合は、通貨名と通貨単位が異なるのが普通?なのかもしれません。これは今後いろいろ調べてみたいと思います。

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