我々の年金を運用するGPIFは、世界最大の年金基金であり、日本最大の機関投資家です。GPIFがスチュワードシップ・コードを率先して実践することは、アベノミクスの第3の矢の一つとして大事なことです。
GPIFは、スチュワードシップ・コードの受け入れ表明はしています。しかし、運用を他の機関投資家に委託しているため、スチュワードシップ・コードの受け入れ方針も委託先の機関投資家によるスチュワードシップ・コードの適用状況をモニタリングするというような書き方になっています。
もう少し、踏み込んだ対応ができないものかと筆者は、以前から考えていました。GPIF自体が株式保有できないというのは、理由にはならないと思います。下記の記事は、前向きな受託責任を果たそうという姿勢が見られる行動であると評価できると思います。
下記の記事をよく読むと、「GPIFが、運用委託先を通じて、損害賠償請求した」と書いてあります。場合によっては、運用委託先が損害賠償請求したのをGPIFが追認した、とも取れますが、GPIFからの発表が「運用委託先を通じて」となっているのだと思います。
ここまでできるのであれば、「運用委託先を通じて」個別企業の株主総会における投票行動にまで口をだすこともできるとも考えられます。ステークホルダーである国民の厳しい目にさらされているGPIFによる受託責任に関わる行動が注目されます。
公的年金、東芝・VWに賠償請求 不正会計・排ガス問題「株価下落で損失」
- 2016/6/24付