日経新聞によれば、第一生命が持ち株の議決権行使について、個別にその内容を開示するということです。同社はスチュワードシップコードの考え方を一歩進めて実行したということになります。個別開示することから、それぞれの議決権行使についてしっかりした考え方に基づいている必要があります。2000社以上も投資しているということですので、専任の方の増員が必須になると思います。それだけのコストをかけて本腰を入れて対応するということだと思います。
今後、この動きが大手機関投資家の間に広がることを期待したいと思います。銀行系の信託銀行などは、投資先には系列と系列以外がありますが、議決権行使に差があれば、分かってしまいます(たとえば、三菱系は三菱系の投資先や大口融資先に甘いなど)。これまで差をつけていたのかどうか分かりませんが、個別開示になれば、そういうことはできなくなります。
ただ、開示してもらうことは良いことですが、誰かがそれを分析しないといけません。投資会社数が多いので分析が大変です。
株主総会での議決権行使 第一生命が個別開示へ 2200社対象、生保で初
2017/5/2付
第一生命保険は、投資先企業の株主総会で各議案に投じた賛否を個別に開示する方針を決めた。約2200社が対象となる。機関投資家が守るべき新しい行動指針に沿った対応で、生保業界で全面的に個別開示に踏み切るのは初めて。個別開示の方針を打ち出している金融機関が増えており、機関投資家の投資行動の透明性が高まる。
第一生命が株主になっている上場企業は約2200社。議案数は少なくとも年間8000件を超える見込みだ。2016年7月~17年6月の株主総会での議決権行使の結果を、今年秋ごろをメドにウェブサイトなどで公表する。その後も定期的に内容を更新していく方針だ。