VW社の不祥事により、ドイツのコーポレートガバナンスが問われているが、 ドイツでは、ヨーロッパ各国に比較して女性役員が少ない点の改善が進まないとのことである。これを受けて政府が力技で対応することにした。
ドイツのコーポレートガバナンスは、監査役会と取締役会の2層になっている。ドイツの監査役会は日本の監査役会とは異なり、取締役の選任・解任などの権限を持つ。取締役会の上に位置するガバナンス機関である。これが取締役会と翻訳されることもあり混乱するが、最近は「監査役会」で定着している感がある。
ドイツでは、監査役の30%以上を女性にすることを義務付ける制度がドイツで2016年1月始まる。この対象は、2016年1月以降、従業員2000人超の上場会社約100社である。
この制度はFrauenquote(フラオエンクオーテ)と呼ばれる。女性割当制という意味。日経新聞ではフラオエンクオータとなっているが、ドイツ語は上記の綴りなので、クオーテと発音されると考えられる。クオータは英語なので、Frauenドイツ語+quota英語の組み合わせになってしまっている。検索すると下記の画像が出てくる。
2014年の上位200社の監査役会の女性比率は2割弱とのことなので、30%は射程圏内と考えられる。しかし、日本の場合は、2011年の統計であるが、上場企業3,608社の役員等計41,973名のうち女性は515名であり,その割合は1.2%である(内閣府男女共同参画局)。大規模上場会社の会社の女性比率はもう少し高いとしても、ドイツと比べても格段に低い。