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2017年7月3日月曜日

取締役以外から社長を選任できる社内規程を作っておく必要性

今日(2017年7月2日)の日経新聞に次のような記事が掲載されました。

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6月22日、京都市内で開いたオムロンの株主総会。同社は「取締役会は、執行役員の中から社長を選ぶ」などとする定款変更議案を提出し、承認された。従来は取締役社長などを選ぶとしていた。監督と執行の機能分離を進めるとして、取締役会議長を務める会長を除いて専務など「役付き取締役」も廃止する。
 オムロン取締役室長の北川尚執行役員は「代表取締役と社長の分離を長く続ける考えはなく、人材の登用を柔軟にする狙いがある」と語る。「経営の長期ビジョンを掲げて実現していく社長の就任期間は相当長くなると考えており、少数の業務執行取締役から後継者を選ぶのは難しくなった」
 今年6月の株主総会では住友商事、豊田通商、三菱自動車なども似た趣旨の定款変更を提案し、承認された。過去にも日本航空やコマツ、三井化学などが定款を変更している。
 こうした対応の必要性が認識されたのは、2015年4月1日に三井物産の安永竜夫氏が執行役員から32人抜きで社長に就いたのがきっかけとされる。同社は14年6月の株主総会で執行役員の規定を定款に明記し、その中から社長を選べるように変更していた。
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取締役でない社員を社長に選任するというのは、外部から社長を登用する場合も同じです。この記事の後の方にも書かれていますが、指名委員会等設置会社(委員会設置会社)については、取締役会はガバナンスに専念し、業務執行は執行役が行うという体制ですので、取締役会が代表執行役社長を選任することができます。
一般には、代表執行役は取締役であることが普通です(そうしないと業務執行の情報が取締役会に上手く反映できない)。そのため、代表執行役で取締役でないという状況を長く続けることは望ましくありません。
同じように、監査役設置会社や監査等委員会設置会社では、執行役員や外部から社長を選任してても代表取締役でないという状況を長く続けることはよろしくないと思います。
この場合は、取締役ではない「代表執行役員」ということになると思いますが、執行役員は任意の役職(要するに部長とか事業部長とかいうのと同じ社内の呼称)なので、法的な権限はありません。取締役でない代表執行役より、曖昧な立場ということになります。
オムロンや三井物産など上記のように規定を変更した会社は、選任時に取締役でない人を選任できないという状態を避け、取締役以外からでも選任できるようにしようという意図であると考えられます。
社長の選任は、社長が後継者を指名するというのが日本企業の一番多いパターンですが、それでは、現職社長の息のかかった人が、現職の路線で経営するということになり、「攻めのガバナンス」の観点から望ましくありません。
また、カネボウ、オリンパス、東芝などの巨額粉飾の事例を見ると、社長から次の社長に粉飾が引き継がれており、この負の連鎖から逃れることができなくなっていました。
そういう意味で、取締役以外から社長を選任しようという心意気の会社が増えてくることは、ガバナンスの観点では非常に良いことだと思います。規定を変えたから、取締役以外から社長が選任されるようになるのかどうかは別ですが、少なくとも規定を変えておくことは良いことだと思います。

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