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2015年8月16日日曜日

東芝の教訓(4)ー内部監査責任者は人事ローテーションから外せ

内部監査を実施することにより、グループ会社を含む会社全体的な観点でのモノの見方や経験が身につく。グループ会社各社の課題の識別やその解決策の立案を行う経験は、将来経営幹部になるために非常に有用である。また、組織横断的に部門責任者に会って話を聞くことができ、また部門責任者に覚えてもらうこともできることから、本人のキャリアアップのプラスになる。
こう言う観点から、優秀な若手に一定年数の間、内部監査を経験させるような人事ローテーションは、人材開発上有用である。
第三者報告書によれば、東芝では「各カンパニーから将来事業部長になるためのキャリアパス的な位置づけで経営監査部に人を配置するというロー テーションが組まれていた。(全文p283)」となっている。前述の観点からは、人材育成上優れたやり方と考えられる。
内部監査部門の若手部員が、そのようなローテーションによる人事であっても、内部監査部長以下の内部監査の幹部が、各部門からの影響を受ける人でなければ、有効に内部監査は機能する。
しかし、内部監査部長や幹部は、人事ローテーションから外すか、外部から採用する必要がある。要するに、監査のプロが内部監査を主導することにより、レベルの高い内部監査の実施が可能になる。
このような観点かどうかは分からないが、内部監査部長を社内キャリアの最終ポジションとする会社も多い。ご本人の能力に依存する点はあるとは思うが、一般に、若いうちから監査実務を経験していないと、品質の高い監査ができる人材を育てることは困難と考えられる。
欧米のように、内部監査のプロが内部監査の責任者になるべきである。

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