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2016年3月21日月曜日

竹中平蔵先生のお話

先日、竹中平蔵先生のお話を聞きました。パワポなしで手元のメモを見ながらお話されました。「スクリーンには私の顔しか写りません。」というところからお話が始まりました。要旨は次のとおりです。

世界経済
1月のダボス会議では、昨年に続き世界経済は「緩やかな成長」を予想したそうです。その理由は、米国のコーポレートガバナンスとイノベーションが期待できるとのことです。ここでのコーポレートガバナンスは、恐らく企業パフォーマンスと経営者のリーダーシップのことではないかと思います。
リスク要因としては、中東、米国の資産インフレ、中国経済。

中国経済
よく聞く話ですが、中国の成長率は中期的に下がる。理由は中進国の罠で、一人当たり所得がラテンアメリカ的に停滞するからです。
中国では、法の支配が確立していない。英国で産業革命が起きたのは、法の支配が確立したことから自分の資産を守る仕組みができたことが大きいそうです。これは、竹中先生が翻訳したグレン・ハバード著の経済学のテキストに書かれているようです。
http://www.amazon.co.jp/ハバード経済学I-入門編-R・グレン・ハバード/dp/4532134528

消える職業
マイケル・オズボーンの「雇用の未来」はよく引き合いに出されます。
http://eco-notes.com/?p=649
竹中先生のお話は、筆者のような公認会計士向けでしたので、10−20年で消える職業に会計士が入っている、というお話が出ました。多分英語では、accountantと書かれているのだと思います。上記のサイトでは「薄記、会計、監査の事務員」となっています。弁護士助手も入っていますが、頭を使う仕事は残るようです。

アベノミクスは失敗か
株価は、一時20,000円になった後、16,000円に落ちたわけですが、安倍首相が就任した当時は日経平均株価が9400円だったことを忘れているのでは? 株価だけでは判断できませんが、重要な指標であることは確かです。また、日本では完全雇用が達成されている点も評価すべきだ、とのことでした。

税収の弾性率
景気回復期の税収弾性率は3−4%だそうです。すなわち、名目GDPが1%成長したら3%の税収増になるということです。(ここで、アレシナの法則のお話が出ましたが、関連が解りませんでした)
お話の趣旨は、財政再建のためには、景気をよくすることが一番ということだと思います。

コンセッション
ここで、コンセッションという聞きなれない用語が出てきました。PFI(private finance initiative)とかPPP(public private partnership)は、聞いたことがあります。コンセッションは、こられの一種ですが、所有権を公共に残したまま、民間に運営を任せるというものです。空港(仙台、関西など)や水道(大阪、愛媛など)の例が出ました。これらをもっと進めれば、財政再建に役立つ、という趣旨だと思います。
水道は、水メジャーと呼ばれるフランスのヴァオリアなどが日本にも進出してきています。愛媛(松山市)はその例だと思います。なお、私の著書にも水メジャーについて触れております。(http://andomitsunobu.net/?p=10956 この方には拙著を褒めていただきました。)

経済成長のためには移民を促進
移民を増やすと犯罪が増えるというのは間違い。シンガポールは移民40%だが、犯罪率は日本より低い。要するに運営次第ということです。日本には移民法がないそうです。

締め切り効果
2020年は東京オリンピックですが、オリンピックと関係なくても、官民で2020年までの計画はいろいろ発表されています。こうゆうのを「締め切り効果」というそうです。締め切りがあると頑張れるようです。









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