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2016年3月2日水曜日

社外役員の兼務制限

社外取締役の兼務について、第一三共が原則禁止すると報じられました」。プロネッドによると、下記の通り4社以上社外役員を兼務する人が 2015年で60人となっています。この統計がどれだけ正確か分かりませんが、これで見る限り、2014年までは50人弱で推移していたのが、2015年に60名に増加していることが分かります。



新聞記事ですので、第一三共が社外役員の兼務を原則禁止したとする詳しい内容についてははっきりせず、記事を読むと第一三共以外の会社は、3-4名ぐらいまでは兼務を認める会社が普通であることが分かります。

基本は、3社程度までに社外役員の兼務は制限するのが普通と思います。これまでそのような兼務の制限を社内規則で定めていなかった会社も、最近は兼務制限を規定するようになった、というのが新聞記事の趣旨と考えられます。


記事のように、一橋大学のI先生など特定の方に社外役員が集中する傾向があることから、機能する社外役員を選任するためには、兼務の制限をすることは必要です。

ただし、社外役員の兼務を禁止し、自社選任の社外役員というのは、行き過ぎではないかと思います。このように制限すると、社外役員報酬を高くする必要があることはもちろんのこと、良い人を探すことが難しくなると思います。

したがって、第一三共も原則禁止としており、自社を優先してもらうのであれば、2社程度の兼務は認めるといったことではないかと想像します。筆者の知っている公認会計士で、社外監査役を4社やっている人がいますが、それしかしていない場合には、日程調整が難しくなる可能性はありますが、対応可能なレベルと思います。

いずれにしても、取締役規定や監査役規定などで、社外役員の兼務制限を定めておきましょう。


社外役員の兼務制限
第一三共が禁止/日立、4社まで 外部の知見、自社に集中

2016/3/2付
 社外役員の兼務を制限する上場企業が増えてきた。主要企業の3社に1社が役員兼務のルールをつくり、第一三共は他社での役員就任を原則禁じた。日立製作所は兼務先を4社までに限定した。自社での活動にできるだけ集中してもらい、社外役員の経験や知識を経営に生かす狙いがある。


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