下記のような社長の発言があった場合、CFOはどのような行動をとったのだろうか。 CFOは適正な会計処理のあり方を理解しているはずである。社長の発言どおりに決算をしたら「まずい」ということは当然理解していたはず。「御意。」ではなく、「殿!それはまかりなりませぬ!!」と止めるのがCFOの役割ではないか。
社長は、会計の専門家ではない。力任せにいい加減な発言をすることがある。そのようなときに、これを正すのがCFOの役割である。社長の意向を現場に伝えたり、監査法人をうまく丸め込むのがCFOの仕事ではない。
東芝の歴代社長に問題があったことは事実としても、CFOは、その役割の基本である「ブレーキ役」が果たせていなかった。
取締役会は、ブレーキ役がしっかり果たせる骨のあるCFOを選任する必要がある。(東芝の場合取締役会が機能していなかった。これは別稿で検討する。)
<田中久雄社長>
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「テレビ事業の下期黒字化は公約です。ありとあらゆる手段を使って黒字化をやり遂げなければなりません。」(2013年6月)
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「(ETCの工事損失について)できるだけ第3四半期ではなく、第4四半期で認識する方向でお願いします。」(2013年11月)
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「損益インパクト4億ドルのマイナスの見積もりを採用することは認められない」(2014年1月)
<佐々木則夫社長>
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「改善チャレンジへの回答となっていない。自分たちの提出値を守りますというだけ。全くダメ。やり直し」 (2012年9月)
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「一番会社が苦しいときにノーマルにするのは良くない考え。」(2009年10月)
<西田厚聡社長>
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「いくら為替が悪いと言っても話にならない。とにかく予算を達成してほしい。」(2008年11月)
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「こんな数字はずかしくて公表できない」(2008年12月)
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「このままでは売却になる。事業を死守したいなら最低100億円(利益の嵩上げを)やること。」(2009年1月)
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「今期はすこしぐらい暴走しても良いので、東芝の営業損益に貢献せよ。」(2009年6月)
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