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2018年7月21日土曜日

その後の東芝(3) 英国の入札制度

 筆者は、「東芝事件総決算」の第3章の冒頭で次のように書いています。

200610月、東芝は英国核燃料会社(BNFL)からウェスチングハウスを買収しました。東芝は2度目の入札において2,700億円で落札したという通知を受けました。しかし、競争相手の三菱重工などの企業がさらに入札額を上乗せすると言ったことから、落札額が上がり、3度目(4度目という説もあります)の入札において、約6,500億円で東芝が落札しました。
 英国核燃料会社は全株英国政府が所有する会社です。日本の政府系機関の入札では、一旦落札したのに取り消されるということはあり得ないことですが、それが英国ではありうることなのでしょうか。結果的に非常に高く売れたのですから、英国の国益になったということは間違いありません。

 日本政府の国有財産売却における入札では、落札した後に、入札額を上乗せする企業が現れたとしても、もう一度入札を行うというようなことは、筆者の知る限りないと思います。
 英国国有会社であった英国核燃料会社がその子会社のウェスチングハウスの売却入札において、このようなことが起こったことは間違いなさそうです。
 筆者は「英国ではありうることなのでしょうか」と書いています。拙著をお読みいただいた方から、英国の入札制度では、このようなことがあるとお教えいただきました。
 これは、一旦落札者が決まったとしても、一定期間の間にそれより高い価格を提示できることを申し出れば、再度入札が行われるというやり方だそうです。売却する国側からみたら、高い方がよいのですから、上手く考えられた制度ということができます。


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