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2015年10月29日木曜日

企業不祥事発生時には直ちに社内調査委員会を設置すべし

前項の「取締役への責任追求:オリンパスと大王製紙の違い」で述べたとおり、社内の自浄作用によって、社内調査委員会を設置して対処した大王製紙において、直接事件に関わりのない取締役・監査役への責任追求はされなかった。

そのため、不幸にも企業不祥事が発生した場合には、外部に情報が漏れ、株主や社会から第三者調査委員会の設置を迫られる前に、いち早く社内調査委員会を設置して対応することが必要となる。そうしないと、事件に関係しない取締役・監査役への責任追求が行われる可能性が高くなる。

日本監査役協会の監査等委員会監査等基準や監査委員会監査基準においては、「企業不祥事発生時の対応及び第三者委員会」というセクションを掲げている。これは、上記のような背景から次のように規定している(監査等委員会監査等基準第30条、監査委員会監査基準第27条)。

(1)監査(等)委員会は、「必要に応じて調査委員会の設置を求め」るとしている。

(2)取締役の対応がそれでも不適切な場合は、外部の独立三者による第三者委員会の設置を監査(等)委員会が勧告すべきであるとしている。

上記の(1)は第二層で食い止めることを目的としており、(2)はそれでもダメな場合は、第三層での対応になってしまうことを意味する。

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