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2020年3月30日月曜日

東芝機械:村上側は買収防衛策に反対したのか?

「コロナ騒ぎで株価が急落した東芝機械の買収防衛策は承認されるか」
https://kkbo-cg.blogspot.com/2020/03/blog-post.html で、3月27日の株主総会が注目されると書きました。

その臨時株主総会で、TOBを仕掛けた旧村上ファンド系投資会社に対する買収防衛策の導入・発動が62%の賛成票を得て可決されました。これにより、村上側は当初の予定どおりTOBを撤回することになりました。

コロナ感染拡大で株価が大幅に下落していた状況で、TOB価格が3456円。東芝機械の株価が2000円ぐらいですので、時価2000円の株式を村上側が1.5倍の高値で買う必要がありました。持株比率44%まで買うということでしたが、株主総会時点で14%ぐらいという報道もありました。

ISSが買収防衛策に賛成推奨したのが株主の背中を押した、経営方針についての提案をしないのはけしからん、という報道もありますが、そもそも村上側は株主総会に出席したのでしょうか?これについての報道は見つかりませんでした。

当然ですが、コロナ流行で株価が下がりすぎて、村上側はやる気をなくしていたはずです。株主総会では欠席し、議決権行使書面も提出しなかった(書面投票で棄権と書くと、出席扱いになり得票数の分母に含まれ、賛成比率が下がる)のではないかと勘繰りたくなります。

時価が2000円で取得価額が3000円近い(1年以上前から買い始めているためTOB価格より平均取得価額は低いはず)東芝機械株を村上側が売り始めると、さらに株価が下がるのではないかと心配になります。そもそも、村上側が買いを入れたため株価が3000円を超えてしまったということも言えるかもしれません(2018年12月末の株価はほぼ2000円)。

前回のブログに書いたように、この会社を株価4000円の良い会社にするのは非常に難しいと思います。この会社にはキャッシュが200億円ぐらいあるので、これを使って自己株の買い入れや高配当をさせて株価を吊り上げる作戦しかなかったので、経営方針については提案なし、だったのかもしれません。
あまり賢いTOBではなかったというのが結論と思います。

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