Translate

2015年7月24日金曜日

中期経営計画は誰もためのものか?

中期経営計画の話を聞いた。

・IRやアナリストのための中期経営計画の策定になっていないか?
ー 外向きの経営計画では、社内で別の計画が運用されダブルスタンダードになる。

・「ホッチキス中計」になっていないか?
ー各部が取りまとめた計画をホッチキスで留めただけの計画。計画が形骸化する。

・ダブルスタンダードの割合は?
ー15−20%ある。義務としての数値目標なので、営業利益で50%が未達、売上で20%が未達(伊藤邦雄などを参考に大和総研算定)

・どのような投資家に向けた中期経営計画か?
ー長期投資を行う投資家が将来の姿から現在の企業価値を測定できるような中計が必要。決算予想や短期目線のアナリストのための中計ではない。

・ガバナンスの観点からの中計
ー株主の代弁者としての社外取締役がモニタリングするという観点から、ダブルスタンダードは許されない。義務としての外向きの中計ではガバナンスはできない。そのために、適切な中計を策定しないとガバナンスができないと言える。目標達成の如何により、経営者の交代を迫ることが必要になる。中継は、経営者能力の判断指標となる。

・ROEと中計
ーROEは結果であって、経営目標たりえない。

・ローリング中計
ー3年ごとの中計では経営環境の変化が反映できない。1年目は3年後の将来の計画であるが、3年目だと将来計画が提示されていない状況となる。ローリング中計は常に将来計画が提示されるメリットがある。為替や商品相場などの基本的な想定が大きく変わった場合、当初の中計を変更しないと経営計画として意味がなくなる。ただし、毎年見直すことから、朝令暮改的な中計と批判されることもある。ローリングが適切な業種がある。


0 件のコメント:

コメントを投稿