Translate

2015年9月2日水曜日

東芝、最悪のシナリオ

東芝は、延長期限の8月31日までに有価証券報告書が提出できなかった。これは決算と監査作業が終わらないというのが理由と報道されている。提出期限を、来週月曜日の9月7日に再延長した。現実になってほしくないが、リスクマネジメントを長年やっていると最悪のシナリオを考えてしまう。

最悪のシナリオは、有価証券報告書提出の再々延長である。

たとえば、同じ新日本監査法人が監査していたNECの場合は、米国上場していた当時、SOXの報告書を一度も出せなかった。米国基準の場合は、米国EYの意見が優先する。それから想像すると米国子会社の監査人としてのEYではなく、米国基準であるSOXの品質管理を仕切るEYSOX監査意見を出せないと結論付けたと考えられる。

NECSOXの報告書を一度も出さずに、米国上場廃止にした。監査人はその後あずさに変更。その間(たしか23年間)、新日本監査法人は、有報に適正意見を出し続けていた。NECの場合も、問題になったのは工事進行基準の内部統制と言われている。SOXの監査意見が出ないような内部統制上の問題があったにも関わらず、有報の財務諸表への監査意見が出たのは、理解を超える。(日本基準と米国基準は違うというのが、おそらくその理由)

いずれにしてもNECの場合は、内部統制の話だが、東芝は決算そのものが問題になっている。NECの場合と異なり、有価証券報告書の監査なので、米国EYは米国子会社の監査だけを仕切っているだけと見るのは早計である。東芝の会計処理基準は米国基準である。

東芝は、米国上場していないため、SEC基準ではない米国基準。このため少し判断が緩いと考えることができる。とは言っても、日本基準ではないことから、またもや米国EYの意見が反映されることは間違いない。

内部統制の場合は、重要な欠陥がないようにするためには、組織、システム、業務マニュアルの変更が伴うことから、いつまでも対応できないということがあり得る。しかし、財務諸表監査は、よっぼどのことがなければ、時間をかければ監査は終わる。しかし、東芝の場合は、その時間が大きな問題になる。

そうなると、東芝の有価証券報告書の提出が再々延長になるというのが、最悪のシナリオになる。

0 件のコメント:

コメントを投稿